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マーケットの上場、ステータスの変更、廃止はプロトコル操作であり、どこか脇で行われる管理作業ではありません。ブロック内部の優先順位の先頭で実行され、その効果は不透明に告知・適用されるのではなく、特定のブロック高で観測できます。 統合する側には、そこから実務上の意味が出てきます。マーケットの状態はチェーン状態であり、それが正です。クライアントはマーケットが開いたことを知らされる必要がなく、自分で見て分かります。

マーケットが取りうるステータス

マーケットは単純な「オン」「オフ」ではありません。板がどの注文を受け付けるかを正確に決めるステータスを持ちます。
Initializing板は何も受け付けない
PreOpenポストオンリー、許可リストのみ
Activeすべて
PostOnlyテイカー注文はすべて拒否
Paused何も受け付けない
ReduceOnlyポジションを減らす注文のみ
FinalSettlement何も受け付けない。終端ステータス
PostOnlyとPausedはActiveに戻ります。ReduceOnlyは戻りません。畳んでいく経路だからです。
マーケットのステータスはチェーン状態で、ブロックの先頭で実行されます。クライアントは開いたことを知らされる必要がなく、自分で見て分かります。
これらは深刻度を示すつまみの目盛りではありません。それぞれが別の問題に対する別の答えです。 PreOpenは、取引が始まる前に板を作るためのステータスです。許可リストのメイカーが気配を出せて、受け付けるのはポストオンリー注文だけなので、板を組み立てている間に約定してしまうことはありません。マーケットは、空のまま開いて最初のテイカーに価格を決めさせるのではなく、両サイドが揃った状態で開きます。 PostOnlyは、気配を止めずにテイクだけを止めます。「いま価格発見が壊れている」ときのためのステータスです。メイカーは気配を置き直せますが、古くなった気配を誰も取れません。 ReduceOnlyは、退出だけを許し、新規の参入を許しません。マーケットを畳んでいくときや、リスク特性が変わってエクスポージャーを増やすのが適切でなくなったときに入るステータスです。

マーケットが開くまで

上場は、契約仕様をオンチェーンに書き込む設定操作です。ティックサイズ、ロットサイズ、インデックスの構成、レバレッジティア、資金調達率のパラメータ、ポジション上限、価格バンドが含まれます。マーケットの挙動は、この記録の外側には一切存在しません。 仕様はマーケットが何かを受け付けるより前に書き込まれ、存在した瞬間から読み取れます。マーケット一覧をポーリングするクライアントは、取引可能になる前に、新しいマーケットを完全なパラメータ付きで把握できます。統合する側が設定を整える猶予は、ここで生まれます。 上場の操作にはマルチシグ要件を課すこともできます。操作は署名者のしきい値を満たす証明を伴い、満たさなければ実行時に拒否されます。周辺の運用手続きではなくプロトコルが実行時に強制するため、誰かが迂回できる方針ではありません。

マーケットの廃止

上場廃止はスイッチの切り替えではなく、逆順の手続きです。マーケットはまずReduceOnlyに移り、建っているポジションを決済できて新しいエクスポージャーは作れない状態にしてから、FinalSettlementへ移ります。 この順序は運用手順であって、状態機械が単独で強制するものではありません。それでも、重要なのはこの順序です。ポジションが建ったままマーケットを止めれば、保有者は板から抜け出せないエクスポージャーを抱えることになり、予定されていた運用上の変更が、プロトコルの決めた価格での強制的な決済に変わってしまいます。ReduceOnlyを経由すれば、すべての保有者がまず相場の価格で決済する機会を得られます。 最終決済の時点で残っているポジションの決済手続きは契約ごとに異なり、予告期間とともに上場廃止の告知で公表します。
上場廃止の告知は、行動を要する唯一の告知です。ReduceOnlyに入るマーケットでポジションを持っている場合、自分で選んだ価格で自分で決済することは、最終決済の手続きが行うこととは実質的に別物です。予告期間の扱いはルール変更を参照してください。

プレマーケット契約

原資産に流動性のあるスポット市場がない段階で上場するマーケットもあります。上場前のトークンや、公開前の株式などです。 カーネルから見れば普通のマーケットですが、トレーダーから見れば普通ではありません。インデックス価格のソースが少なく薄いため、動かしやすく、飛びやすくなります。仕様もそれを反映して、レバレッジは低く、資金調達率の上下限は広く、ポジション上限は厳しく設定されます。マーケットを参照してください。

上場を前提に開発する

マーケット一覧は一度ではなく繰り返し取得する。起動時に一覧を読んだきりのクライアントは、その後に上場したものをすべて黙って取りこぼします。上場は日常的に起き続ける出来事です。 仕様は保存せずに読み取る。ティックサイズ、レバレッジティア、資金調達率の上下限は、稼働中のマーケットでも変わります。古いコピーを持つクライアントは、ネットワークに拒否される注文を送るか、すでに無効な上限を前提にポジションサイズを決めてしまいます。 Activeだけでなく、すべてのステータスを扱う。マーケットのステータスを理由に拒否された注文は、注文側の不具合ではありません。マーケットが、いま何を受け付けているかを伝えているだけです。PostOnly、ReduceOnly、Pausedを別物として扱うかどうかが、緩やかに機能低下する統合と、壁に向かってリトライし続ける統合の差になります。

告知

告知の配信は2026年9月20日のパブリックテストネットから始まります。それまでの間、プライベートテストネットのマーケットは予告なく上場・変更されます。そこには価値を持つものが何もないからです。
上場と上場廃止の各告知には、対象マーケットと完全な仕様、発効するブロックまたは日付、設けた予告期間、そして上場廃止であれば残っているポジションの決済手続きを記載します。

次に読む

マーケット

契約仕様に何が含まれるのかです。

ルール変更

予告期間と、変更が発効する仕組みです。

トランザクションの順序付け

システム操作がブロックの先頭で走る理由です。

プロトコル変更履歴

何がリリースされたかの、日付付きの記録です。