集中がリスクそのものである理由
1つのアカウントが建玉の大半を保有するマーケットには、固有の壊れ方があります。そのポジションが強制決済されるとき、反対側にはそれを受け止められるだけの規模の相手がいません。板は吸収しきれず、保険基金は枯渇し、不足額は自動デレバレッジにまで達して、落ち度のないトレーダーが保有する、利益の出たポジションが決済されます。 1つのアカウントの破綻が全員の破綻に広がるのを止めているのが、この上限です。上限の計算方法
構成要素は2つで、大きいほうが採用されます。 シェアしきい値は、上限をマーケットの実際の規模に連動させます。建玉の多いマーケットはより大きなポジションを吸収できるため、その分を許容します。 基本上限は固定の下限です。これがなければ、建玉がほとんどない上場直後のマーケットでは上限がほぼゼロになり、誰もポジションを取れず、建玉も永遠に増えません。マーケットが立ち上がれるのは、この下限があるからです。 どちらの項もマーケットごとの設定です。基本上限はマーケットの厚みに合わせてあり、板の厚いマーケットほど下限は高くなります。 基本上限を、シェアしきい値をと書くと、切り替わりが起こるのは、マーケットの建玉がに達する点です。
つまり、若いマーケットでは上限は動かず、板の厚みに比べれば寛大です。成熟したマーケットでは、上限はそのマーケット自身の規模に追随します。
板に置ける未約定注文の本数
上限がかかるのはポジションサイズだけではありません。注文の本数にも上限があります。この上限はアカウントごとに決まり、自分の状態に応じて動きます。 どちらの項もUSD建てです。取引履歴がなく1,000 USDCを持つ新しいアカウントなら70本になります。初めのうちは残高の項が効き、取引を重ねるにつれて出来高の項が主導し、いずれにせよ5,000本が絶対的な上限です。 自動売買を回している人がよく引っかかるルールが、もう一つあります。すでに1,000本の未約定注文を抱えている状態になると、制限付きに分類される注文タイプ(リデュースオンリーや条件付き注文など)は専用の拒否理由とともに受け付けられなくなり、通常の注文だけが上限まで受理され続けます。板を埋める戦略が、ポジションを決済するために要る余力を使い切ってしまわないようにするためです。マーケットメイカーが最も驚かされやすい上限の一つです。注文が拒否されるまで目に見えず、残高と出来高の変化に応じて動くからです。注文が拒否されたを参照してください。
何が算入されるか
ポジションと未約定注文の合算。ポジションを増やす未約定注文も上限に算入されます。これを無視する上限は、注文を出して待つだけで回避できてしまうからです。 サイドごと。ロングとショートのエクスポージャーは別々に計測されます。 サブアカウントをまたいで合算。同一の保有者に属するサブアカウントは合算されます。ポジションをサブアカウントに分割しても上限は上がりません。マーケットから見れば集中の度合いは同じであり、上限が防ごうとしているのはその集中だからです。 マーケット全体の建玉は両サイドを含みます。分母はマーケット全体であって、その片側ではありません。上限に達したとき
上限が測る対象
エクスポージャーを増やす注文
上限を超えるか
受理
送信時点で拒否理由付きで
リデュースオンリーや決済注文は判定されず、常に受理
ポジションと未約定注文の合算ポジションになりうる注文も算入
ロングとショートは別々サイドごとに上限がある
サブアカウントは合算分割しても上限は上がらない
実際の値を読み取る
このページに出てくる数値はいずれも、プロトコルの定数ではなく、マーケットごとのオンチェーン設定です。これらを決めているパラメータは次のとおりです。
いずれも各契約仕様に公開されており、チェーンから読み取れます。これらをハードコードした統合は、いずれネットワークが適用していない数値を計算することになります。開発者を参照してください。
次に読む
自動デレバレッジ
ポジション上限が起こりにくくしようとしている結末です。
レバレッジ
ポジションサイズに応じて変化するもう1つの制約、サイズティアです。
マーケット
マーケットごとのしきい値と基本上限です。
強制決済
大きなポジションが実際に破綻したときに何が起きるかです。