Skip to main content
マーク価格は、強制決済されるかどうかを決める数値です。最終取引価格ではなく、インデックス価格でもありません。 これが別個の構成物として存在する理由は狭く、しかも重要です。強制決済が本取引所の最終約定で発動するなら、薄い板に約定を1本通せる者は誰でも、他人のポジションを強制決済できてしまいます。マーク価格は、本取引所自身の板を含め、どの単一のソースも単独では大きく動かせないように設計されています。

4つの価格、1つの中央値

オラクル+平滑化ベーシス外部の現物と、本取引所のベーシスの150秒EMA
本取引所自身の板最良買い気配と最良売り気配の仲値
オラクル+資金調達ベーシス資金調達率から導出
外部の無期限先物の仲値他の取引所の無期限先物市場
中央値
マーク価格証拠金 · 強制決済 · 未実現損益
防御のすべては中央値です。動かすには、意図的に似せていない4つの入力のうち少なくとも2つを動かす必要があります。
防御のすべては中央値にあります。中央値を動かすには、独立した4つの入力のうち少なくとも2つを動かさなければなりません。しかもこれらの入力は、意図的に互いに似ないよう選ばれています。一つは外部の現物、一つは本取引所自身の板、一つは資金調達率から導いたもの、一つは外部の無期限先物市場です。そのうち一つを歪められる攻撃者がいても、何も変わりません。

価格1:オラクル+平滑化ベーシス

P1=インデックス+EMA150s ⁣(取引所の仲値−インデックス)P_1 = \text{インデックス} + \mathrm{EMA}_{150s}\!\left(\text{取引所の仲値} - \text{インデックス}\right) これは、本取引所が外部マーケットに対して継続的にプレミアムで取引されているのか、ディスカウントで取引されているのかを追跡します。仲値は最良買い気配と最良売り気配の平均です。 安全性を担保しているのは平滑化です。生のベーシスは、誰かが板を広げたりクロスさせたりした瞬間に動きます。150秒の指数移動平均であれば、操作する側は歪みを1ブロックではなく数分間維持しなければならず、そのあいだ、そこへ向かって取引してくる全員に対して実際の資金を失うことになります。 平滑化が実際に何をしているのか。インデックス価格より継続的に高い水準で取引されている取引所を考えます。ベーシスは0から5まで上がり、そこで止まるとします。 5ポイントのベーシスが5分間続いても、EMAは5ではなく4.62までしか動きません。この遅れが保護そのものです。板をインデックス価格から引き離したまま維持する攻撃者は、数分間そのコストを払ってなお、マーク価格をベーシスの分だけ丸ごと動かすことはできません。一方、本物の価格の付け替えは続くものなので、マーク価格が実勢から外れない程度の早さで、いずれ全部が反映されます。 上の数値はいずれも、公開されている式そのものから出したものです。再現できること、それが式を公開する意味です。

価格2:本取引所自身の板

P2=median⁡ ⁣(最良買い気配,  最良売り気配,  最終約定)P_2 = \operatorname{median}\!\left(\text{最良買い気配},\; \text{最良売り気配},\; \text{最終約定}\right) ここで何が起きているかを最も直接に読み取る値です。単一の値ではなく中央値を取ることで、よくある二つの歪みに耐性を持たせています。異常な約定が1本出ても動かず、一瞬だけ片側に寄った板でも動きません。

価格3:オラクル+資金調達ベーシス

P3=インデックス×(1+Flast×tnext)P_3 = \text{インデックス} \times \left(1 + F_{\text{last}} \times t_{\text{next}}\right) 無期限先物が現物から離れて取引されるさまは、資金調達率で説明がつきます。この価格は、その関係を観測するのではなく資金調達率から再構成します。だからこそ、実際に観測している他の二つの価格に対する独立したチェックになります。 形に注目してください。調整分は資金調達の決済が近づくにつれ減衰し、徴収の瞬間にゼロになります。これは、マーケット自身が示す収束と同じ形です。

価格4:外部の無期限先物市場

P4=∑iwi⋅仲値i,wi=Vi∑jVjP_4 = \sum_i w_i \cdot \text{仲値}_i , \qquad w_i = \frac{V_i}{\sum_j V_j} 現物から構成されるインデックス価格とは、意図的に別物にしてあります。無期限先物市場はベーシスと独自の資金調達率の力学を抱えており、これを含めることで、マーク価格は原資産だけでなく、実際に取引されている商品そのものを反映します。加重は参照取引所全体の24時間出来高で行い、どの取引所を含めるかは設定できます。

更新のタイミング

マーク価格は、インデックス価格が更新されるときに更新されます。およそ3秒ごとで、同じブロック内の、インデックス価格より後です。順序には意味があります。インデックス価格より前に計算したマーク価格は、構造上つねに1ティック分古くなるからです。 EMA成分はブロックごとにサンプリングし、残りはインデックス価格の更新頻度に合わせて再計算します。インデックス価格が6秒間更新されていない場合でも、マーク価格はそれに付き合って古くなるのではなく、いずれにせよ更新されます。

入力が欠けたとき

この設計は、破綻するのではなく定義された段階で縮退します。 入力が2つのケースは、理解しておく価値があります。単一のソースにフォールバックすれば、中央値が防ごうとしているまさにその支配力を明け渡すことになります。そこでシステムは、自身の板を30秒で平滑化して3つ目の入力を作り出します。通常運用の150秒より短いのは、縮退状態では応答性のほうが重要になるからです。それでも、約定1本では決められない程度には長く取ってあります。

コールドスタート

マーケットが初めて上場した時点では、4つの入力のうち3つがインデックス価格に潰れます。平滑化ベーシスはゼロから始まり、資金調達ベーシスもゼロから始まり、本取引所の板には履歴がありません。それらの中央値はインデックス価格になります。 したがって、新規上場のマーケットはインデックス価格でマークされ、実際の取引が積み上がって初めて乖離していきます。反映すべき取引所固有の情報がまだ存在しない以上、これが正しい出発点です。
マーク価格は操作に強いだけであり、操作不可能ではありません。構成元となる外部マーケットが揃って動けば、本物の乖離であれ複数の取引所にまたがる協調的な動きであれ、中央値もそれに従って動きます。中央値が制限できるのは、単一のソースにできることの幅だけです。マーケットが持っていない情報を作り出すことはできません。リスク開示を参照してください。

マーク価格が使われる場所

腹に落としておくべきは最後の行です。マーク価格が約定の支払額を決めることは決してありません。決めるのは、保有ポジションにどれだけの価値があるかです。これは別の問いであり、そのポジションを持ち続けられるかどうかを左右するのはこちらです。

次に読む

インデックス価格

マーク価格が係留されている外部の基準です。

強制決済

マーク価格が証拠金に対して不利に動いたとき、何が起こるのかです。

資金調達率

価格3が再構成しているプレミアムの仕組みです。

オラクル

インデックス価格の作られ方と、コンセンサスでの認証です。